【これがアメリカの常識!?】居住移転の自由、その究極形トレーラーハウスとは

どうも。根無し草を地で行くライター、遠紙えみたです。

但し、草は草でも、雨風しのげないと、すぐにめげちゃう温室育ちですので、住むところが快適なのに越したことはありません。

そんな僕が憧れるのが、夢の住み処、トレーラーハウス。これから住まい探しだという人や、将来引っ越しを考えているという人も、良かったら、ちょっとお時間とって、読んでいってくださいね。

 

1.トレーラーハウスとは

トレーラーハウスとは、車などに牽引してもらうことで、どこにでも引っ越すことのできる住まいです。本場アメリカでは主に、mobile homeと称されることが多く、文字どおり、動く家というわけです。

サイズはピンキリですが、小さいものはsingle-wideと言って、それでも幅3メートル、長さ10メートルは超えてきますから、四畳半和室が縦に4部屋ぐらい並んだ、長屋みたいな広さを想像してもらえば良いのかな、と思います。

備え付けの設備は、日本で見かけるちょっとしたキャンピングカーのかなり上を行くもので、もちろん予算にもよりますが、寝室に加え、トイレや浴槽付きの風呂場、オーブンや食器洗浄機付きのキッチンなんかも完備されており、とても快適に過ごせます。

さらに、トレーラーハウスを留め置く場所、つまり、賃借料を払って滞在する場所には、上下水道に電気、あるいは、ガスなんかも供給されており、もちろん、ゴミの収集もしてくれます。場所によってはプール、さらには子供用の遊び場などまで揃っていることもあり、不便を感じることなど、まずありません。

 

2.トレーラーハウス普及の経緯

では、なぜアメリカでこういった居住形態が広まったのか、少し歴史を振り返ってみることにしましょう。

1929年の世界恐慌を皮切りに、アメリカは未曽有の不景気に陥りました。その際、住む場所に困った人々が目をつけたのが、それまでキャンプや長期旅行に活用されてきた移動式住居だったというわけです。

その頃はまだ、大型トラックなどとさほど変わらぬサイズだったわけですが、住み易さを追求するうち、どんどんでかくなっていきました。第二次大戦時に軍の施設で勤務する兵士の住まいとして活用されたことも相まって、その数は増え続けたわけですが、好景気に沸いた1960年代、住宅供給が進むと、トレーラーハウスの人気は下火となっていきました。

ただ、やはりさすが自由の国といったところでしょうか。一か所に留まるのは性に合わないといった価値観だったり、あるいは、賃貸は嫌だけど一戸建てには手が届かないといった経済的理由を背景に、今でも多くの人々が、この居住形態を利用しているのです。

 

3.トレーラーハウスの引き起こす問題

ただし、トレーラーハウスが引き起こす様々な問題も、やはり無視できません。

まず挙げられるのが、行政の負担です。住み良いとの評判を聞きつければ、なんせすぐ引っ越せてしまうため、急激な人口増加に見舞われた区域は、地域インフラや公共サービスがあっと言う間にパンクしてしまうのです。医師や病室の確保、学校の区割りに、消防の緊急対応等、周辺住民をも巻き込んだ問題へと発展することは、珍しくありません。せめて、税収が増えてくれればまだ良いのでしょうが、トレーラーハウスは不動産として課税してよいのか、あるいは単なる自動車として課税しなければならないのか、といった税法上の問題も絡んできて、決して一筋縄ではいかないわけです。

また、治安の問題もあります。トレーラーハウス利用者には、単発や季節性の労働に従事する、収入の不安定な貧困層も多く、犯罪や反社会的行為の温床となるケースがあります。薬物、アルコール依存、売春などの問題がテレビや映画、小説などで扱われることもあり、彼らの素行の悪さやモラルの低さを腐してゴミ扱いするtrailer trashという表現が存在するのも、また事実です。

ローンの借り入れで不利を被ったり、都市計画法で郊外に追いやられたりと、ぞんざいな扱いを受けた過去もあり、あまり良いイメージは持たれていない、というのが正直なところなのではないでしょうか。

 

4.トレーラーハウスの進化

とはいえ、そういった逆境にもめげず、トレーラーハウス愛好家たちが、住環境を少しでも向上させるために凝らしてきた創意と工夫は特筆ものです。

広さに関して、持ち物や家族が増えるにつれ、やはりもうちょっと欲しいな、と感じるのは当然のことです。そこで登場するのが、前述のsingle-wideを横に二つ並べたdouble-wideというやつです。広さが倍になります。ただし、現場でボルト留め等の結合作業が必須となりますし、また、引っ越しの際はプロの運び屋を雇ったり、道路の走行許可を申請する必要が出てきたりもします。

見た目についても、こだわる人は労力を惜しみません。内装では、量産型にありがちなカーペット床やブラインド遮光を、それぞれ、板張り床やカーテンにすげ替え高級感を出したり、また、安っぽさの否めない標準装備の家具に、金属製の装飾具を据え付け、重厚感を増したりと、とにかく、トレーラーハウス感を少しでも和らげたいんだそうです。外観に至っては、実用性も兼ねるんでしょうが、ウッドデッキにポーチにパティオ、果てはサンルームまで増築するツワモノもおり、あんたらmobileの意味分かってる、とツッコミたくなるくらいです。

聞けば、機動性が損なわれるのは重々承知とのこと。ただ、そんなことより、如何に一戸建てのように見せかけるか、にどうしても心を砕いてしまうんだそうです。この感覚はトレーラーハウスに住んでいる人でなければ、分からないかもしれないですね。

 

まとめ

最後に、強度の点ではやはり、基礎工事のしっかり成された造成家屋には圧倒的に劣ってしまうらしく、ハリケーンなんかにやられれば、ひとたまりもありません。杭打ちにストラップ留めなど、一通りの対策は施すものの、万全ではなく、結局は保険に加入するのが一番とのこと。人にもよりますが、トレーラーハウスそのものに加え、家具や追加増設物までカバーしようか、あるいは、庭の芝生や貯蔵食糧なんかも特約で、などと頭を悩ませるところなんだそうです。

ただ、ご近所問題で苦労したことのある方には分かって頂けると思うのですが、嫌になったらすぐ引っ越せるんだ、というその安心感こそが、何よりも魅力的な心の保険に思えてなりません。

一処に留まらぬトレーラーハウス。日本にも普及する日が、いつかやって来るかもしれません。

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ABOUTこの記事をかいた人

海外滞在歴10年超のインドア派アラフォーマルチリンガル